長野県の歴史を探し求めて

長野県内にある城跡・石造物などを探し求めそれらを紹介していきます。

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諏訪市  大熊新城

大祝諏訪継満の執念の築城!

所在地・・・・諏訪市湖南大熊                 訪城時間・・・・・40分

危険度・・・・★★☆☆☆                    別 名・・・・荒城

訪城日・・・・2011年11月20日                訪城目印・・・諏訪大社上社 近くの片山古墳西の山


              ~ 大熊新城の築城 ~

この大熊新城は、築城の時期がはっきり確認できる珍しい城跡として知られている。

「諏訪御符札之古書」という文献に築城のことが書かれていて、

「文明十八年丙午御射山明年御頭足


一 上増、赤沼、島津常陸守朝国、(中略)

一 左頭、高梨本郷、御符札五貫六百六十六文、高梨刑部大輔政盛代官河村惣左衛門尉秀高、

下位殿当郡大熊荒城取立候
、六月十日甲申除如此御座候間、(後略)」


とあり、文明18年(1486)年6月頃に、下位殿(諏訪 継満)により築城されたことがわかる。

ookumaarasiro.jpg
城跡位置図  国土地理院 2万5千分の1地図使用

               ~ 築城の経緯 ~

上社大祝であった諏訪継満は、総領家の地位を狙い天文15年正月8日夜に、前宮神殿の酒宴の席で総領家の

諏訪政満・嫡子の宮若丸・舎弟小太郎などを殺害し総領家を滅亡させた。

しかし、この継満のやり方に反発した総領家方の矢崎肥前守政継・千野入道・有賀・小坂・福島・神長官

守矢氏等に攻撃され、2月19日夜干沢城から伊那高遠へ落ちて行った。

その一ヶ月後の3月19日、下社金刺興春が諏訪継満に味方して、寄力勢百騎で高嶋城(茶臼山城)を落城させ、

上桑原・武津を焼き高鳥屋小屋に籠った。これに対して総領家側は、矢崎・千野・有賀など諸氏が金刺興春と戦い

下社側は、戦いに負け興以下これに従っていた下社勢の大和・武居氏らが打取られ、興春の首は大熊城に晒され、

下社も焼かれてしまった。


ookumaarasiro4 (3)

城跡のある尾根の南側を流れる権現沢川沿いから登った今回の登城路 

文明16年になると諏訪継満は伊那の軍勢(松尾小笠原・知久・笠原氏など)を率いて杖突峠を越えて諏訪へ攻め

込み磯並・前山に陣を張った。翌日には片山古城(武居城)を整備し直し立て籠もった。

これに対し総領家側は干沢城へ籠っているところ、府中小笠原氏が筑摩・安曇郡の軍勢を引き連れ援軍として、

片山の向城(大熊城か?)へ入り伊那勢を挟みこむ布陣を敷いた。

この戦いの結果については伝わっていないが、ふりを悟った継満は伊那へと引き上げていったものと見られている


ookumaarasiro4.jpg

登っていくとすぐに踏み跡はあるものの笹藪となり苦労をするが構わず登る。

その後、文明18年に荒城の築城となるのだが、「諏訪市史」では、

「(前略)、伊那の旧大祝側と諏訪の総領側で交渉が進められ、和解が成立して荒城の築城や御射山御頭への参加

となったのであろうが、これは伊那へ追放された旧大祝継満が諏訪へ復帰する為の足掛かりとしたものであろう」

とあり、「山城探訪」では、下諏訪ではすでに新しい大祝が立っていて存在感が薄れていく継満は、諏訪への往還

への意志表示とここへ城を築き籠ることによって誰かが取りなしをしてくれることを期待しての築城であったので

はないかとしている。


ookumaarasiro15.jpg

笹藪を抜けると、斜面を荒れにより二分された急斜面を直登し、

籔を抜けると、そこには。。。。。。。


ookumaarasiro15 (9)

はい! きれいな道でした。。。。?   え。。。。? (>_<)

そんなバナナ。。。。。。汗だくで登ってきたのに。。。。鉄塔の巡視路が尾根上を通っていたんですね~。。。(涙)

皆様は、素直に尾根の北側、唐沢川沿いにある鉄塔NO.64の巡視路から登りましょうね。


ookumaarasiro1_20130221100001.jpg

この図に沿って紹介していきます。 

~ 堀①(竪掘) ~

ookumaarasiro5.jpg

ookumaarasiro5 (2)

尾根を登って行くと城内最初に現れるのがこの竪掘で、尾根の両側に落とされている。

防御的に弱く感じるが、尾根が細い為、この程度でも良かったものと思われる。


~ 推定門跡 ~

ookumaarasiro7.jpg

竪掘から少し歩くと、急に道が狭くなり両脇が切り立ったような場所が現れる。

これが、門跡と推定されている場所で、この道の両脇の切岸には。。。。


ookumaarasiro7 (3)

この諏訪地区では珍しい石積みが見られる。

諏訪地区で石積みの見られる城跡は、峰畑城・山吹大城・上原城居館。。。。と少数で貴重な遺構である。


~ 段郭 ~

ookumaarasiro9 (3)

ookumaarasiro9 (2)

門跡を抜けると急斜面となる。それを登り切ると本郭となるが、その前の防御として本郭前面の斜面に4段の

段郭が切岸の高さ約2~3mで構築されている。

現在は常緑樹の椿に覆われてきていて、もうすぐ椿の籔となることだろう。


~ 郭①(本郭) ~

ookumaarasiro11 (3)

尾根のピーク標高1000m・比高230mに築かれた郭①(本郭)には、尾根続き側のみに高さ約2mの土塁が構築されている。

ookumaarasiro11 (4)

郭内部は、16m×8mの狭さで20人程度籠ればいっぱいになってしまいそうである。

郭の削平は丁寧でここに小屋など継満の居住区があったものと思われる。



ookumaarasiro11 (6)

麓から伸びてきた鉄塔巡視路は、本郭の南側下を通過して奥へ延びている。

この巡視路から矢印のように、虎口への道が入っているのがわかり、この事からこの巡視路はかつての城道を

使用して造られたように考えられる。そのことは前に紹介した門跡部分も通過していることから考えられる。

本郭の切岸は、基本自然地形で手を加えたあとは感じられない。


~ 堀②(本郭裏の堀切) ~

ookumaarasiro12 (5)

ookumaarasiro12 (2)

郭①(本郭)裏には、城内唯一の堀切が見られる。

規模的には、上巾約9m・深さ約1.5m程度の小規模なものである。


~ 本郭後方尾根続き ~

ookumaarasiro18 (2)

ookumaarasiro18.jpg

尾根続きには、諸資料では郭があるとされている部分であるが、現在は常緑樹の椿に占領され詳細は見えない。

しかし、下の写真のように平坦な部分も見られることから、継満のわずかな兵などの駐屯地としての構築がなされ

たものであろうか。


ookumaarasiro15 (8)

ookumaarasiro15 (5)

現在の巡視路は、本郭の南側下を通過しているが、この城域部分のみ堀状の通路となっている。

資料では、雨水などで掘られてこうなったもので、築城時のものではないとしている。しかし、この部分だけ

堀状になっているのも不自然と言わざる得ない気がする。

これがもし荒れだとしてもこの堀状通路が、城が現役の時存在すれば防御効果は大きかったであったであろう。


ookumaarasiro11.jpg

郭①(本郭)からは、現在木が邪魔をしているが隙間からは、諏訪湖や市街地が見え麓からも良くこの城が見えた

であろう、これこそが継満の自身の存在を知らせるという狙いだったのだと思われる。


ookumaarasiro4 (4)

大熊新城の遠望

大熊新城は、いかがだったでしょうかこの城の廃城時期については、資料は存在しないものの、「諏訪市史」

には、天文12年(1543)頃、武田氏により諏訪全域の支配がかたまり、高遠氏の諏訪支配の望みが断たれた頃、

これに伴って高遠側の出城であった大熊新城も廃城になったのではなかとしている。

これほど詳しく城の歴史が分かるものも珍しいので大切に整備して欲しいものですね。

(現地に、標柱・説明板など城跡を示すものは設置されていないので。。。。。)



~参考資料~

山城探訪 諏訪資料編  (宮坂 武男)

諏訪市史        (諏訪市史編纂委員会  昭和51年)    




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  1. 2013/02/18(月) 14:15:07|
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現在の長野県内城跡訪城数は   814城です。

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