長野県の歴史を探し求めて

長野県内にある城跡・石造物などを探し求めそれらを紹介していきます。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

安曇野市  長尾城

安曇南部の雄 西牧氏城砦群最北端の境目の城

nagao1.jpg
旧三郷町が本郭に建てた城址碑

所在地・・・・安曇野市三郷上長尾                            訪城時間・・・・2分

危険度・・・・★☆☆☆☆                                 訪城目印・・・・アルプス学園

訪城日・・・・2008年7月5日・2009年1月12日ほか


城跡はすべてリンゴ畑となっているので、訪城には時期や許可等注意が必要です。


                  ~ 長尾城の歴史 ~

nagao2 (2)
長尾城周辺城館配置図              国土地理院2万5千分の1地図使用  

長尾城についてまず「信府統記」の「長尾古城地」に、

「(前略)、城主長尾殿ト稱(ショウ)セシ人ノヨシ云傅フ其假名(ソノカリナ)詳ナラズ前ニ見エタル堀金氏の

一族ナルヘシ」とあり城主は堀金氏一族の長尾氏であるとしている。

この長尾氏についはよくわかっていないが、この長尾の地は長徳年間(995~998)に創建されたと伝えられる

長尾の平福寺の観音堂鰐口の銘に「永享3年(1431)大旦那(西牧)讃岐守憲兼」とあることからこの頃は西牧氏

の領地となっており、この頃に長尾城は築城され西牧氏最北の境目の城として東側に君臨していた守護小笠原氏に

備えていたものと思われる。

その後、幕命により住吉庄のほとんどを小笠原氏に奪われた西牧氏は北条や田屋などの西牧郷に追い詰められてい

くことになるが、長尾城は住吉庄内にある為に小笠原氏の支配下になったものと思われる。

上記の長尾城周辺城館配置図に記載しておいた「上総屋敷」「瑠璃光寺堀屋敷」は長尾城主とされる長尾上総守と

その一族の屋敷地であるとされている。

この屋敷地の位置から見ても、西牧氏時代には段丘上に築城し東側(段丘下)にいた小笠原氏に備えていたものが

普段住む屋敷地が段丘下に移り、長尾城が南側(西牧氏か)に備えが変わっていったことが見えてくる。


nagao2.jpg

長尾城の見取り図(赤線は、山城探訪に記載の長尾城推定図に書かれている消滅部分を書き込んでいます。)

では、「信府統記」に書かれている「長尾氏は堀金氏の一族である」ということであるが。。。。

推定として、天文17年(1548)の塩尻峠の戦いの後に堀金氏は武田氏に降っており、その後の武田氏と小笠原氏に

よって行われた野々宮合戦時には西牧氏は北条城や中塔周辺まで勢力を盛り返しており(後に武田氏により冷遇

されるが・・・)堀金氏も長尾周辺までどさくさに紛れて勢力を拡大してきたのは無いだろうか。

そして長尾城を手に入れた堀金氏は一族の長尾氏を配置し、西牧氏に備えて現在のような(消滅したが)複郭の

城に改修したのではないだろうか。


nagao1 (2)
本郭やニの郭・三の郭はすべてリンゴ畑となっていて見るべきものは少ない。

しかし、何故最後の城主が堀金一族なのか。。。。。。

堀金氏は、西牧氏同様に野々宮合戦時にどさくさに紛れて領土を拡大しており(推定)西牧氏のその後の武田氏に

よる冷遇同様に「天正9年(1581)の御祓くばり日記」に「ほりかね殿出木候ハにしなめうしにて御座候、」とあ

りこの日記に書かれている他の領主と違いこのような不確定な記載は見られないことから「三郷村誌」では、武田

氏により失脚していたのではないかとしている。

また、「南安曇郡誌」では、天正11年以後に堀金加賀は浪人となっておりこれは小笠原氏に追われたのではないか

としており塩尻峠の戦や野々宮合戦でのつけが回ってきたのであろうか。

長尾城は、堀金氏が没落・滅亡したことにより周辺すべてが小笠原氏の領地となり長尾城の存在意義がなくなり

廃城になったのであろう。


             ~  長尾城の遺構 ~

nagao1 (8)
本郭に唯一残る土塁上から本郭を見る。

長尾城の本郭は現在リンゴ畑となり見るべきものは少ないが、黒沢尻という旧黒沢川が流れて出来た河川跡により

出来た段丘上の三角地帯を利用したもので三角形の形をしておりかつては周囲を約4mの土塁が囲んでいたものと考

えられている。


nagao1 (3)

本郭の西側段丘崖沿いには旧三郷町が建てた城址碑がある。

ただ、リンゴ畑の中にある為に気付きにくく入るのも勇気がいるが、勇気を出して許可を取って見てみよう。


nagao8 (2)

本郭の先端部を下りて行くと黒沢尻へ至るが傾斜が緩い為にここにも防御施設が存在する。

nagao8 (4)

斜面には約3段の削平地があるが切岸や郭の削平は甘い。防御のために柵でも立てていたのであろう。

nagao6 (2)
黒沢尻を見る

削平地を下って行くと写真のような、黒沢尻へ行くことができる。

この旧河川跡は堀の役目も担っていたもので、この北へ続く段丘を寸断しており北から攻めることを困難にしてい

る。幅は数十mあり天然の厳重な堀である。


nagao4 (5)

北側にある黒沢尻の底から見上げた本郭とニの郭を隔てる堀

nagao4.jpg

長尾城で唯一残っている堀で、城内側に残るこれも唯一の土塁に付属している。

nagao4 (9)

城内側から黒沢尻へ続いている堀を見る。

堀の上幅は約10mほどで、堀底から土塁上まで約6mの規模で残っている。

この堀と土塁は籔が酷いのでよく見たい方は冬がお勧めです。


nagao3 (3)

本郭内から見た土塁。

nagao3.jpg

長尾城で唯一残っている土塁で、かつては本郭とニの郭を隔てるように構築され真ん中に虎口が開いていたようで

あるが、現在は北側の黒沢尻沿いに残るのみである。

高さは平均約3mで長さは約10m程残る。


nagao11 (3)

ニの郭から見た残存土塁(車の所が土塁で奥が本郭)

nagao11 (4)

ニの郭は現在、リンゴ畑と畑となっていてただの広大な平坦地であり見るべきものはない。

nagao11.jpg

三の郭と外郭の構えがあったであろうとされる場所であるが、リンゴ畑となっている

nagao11 (2)

ただ、この外郭の構えがあったとみられる場所には1.5m程の段差が見られ土塁の可能性も考えられるがどうであ

ろうか。。。。。。

この外郭の構えの外側にはかつて旗塚が見られたとも言われていることからやはり西牧氏または中塔城の小笠原氏

に対して最後の方は備えていた城だったのであろう。


nagao11 (7)

段丘上にある長尾城を遠望する。

長尾城をお送りしてきましたがいかがだったでしょうか。

小さな城ですが調べてみると中々面白いものです。

皆様も是非訪れてみてください僅かな遺構を見つけた時の喜びは大きいですよ (#^.^#)

次回は。。。。。長尾城主とされる長尾上総の屋敷あとをお送りします。

~参考文献~

山城探訪 安曇資料編     (宮坂 武男)

三郷村誌           (三郷村誌刊行会  平成18年)

南安曇郡誌          (南安曇郡誌改訂編纂会  昭和43年)



大きい地図・ルート検索  ( powered by ゼンリン地図 いつもNAVI )
スポンサーサイト
  1. 2013/07/31(水) 20:17:36|
  2. 安曇野市
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<安曇野市  上総屋敷 | ホーム | 安曇野市  大足(葦)氏館>>

コメント

平地の舘巡りは大事です

長尾城ですか。
そういえば真田町横尾にも同じ名前の山城があって雪の中を登った記憶があります・・(汗)

中世豪族の居館って勢力の大小にかかわらず敷地面積はデカイ(笑)
今小生が回っている小諸方面は異様なデカさ。さぞ夏の草むしりが大変だったと思われますが・・(爆)

まだ屋敷シリーズが続くみたいですね、次回もお楽しみということで。
  1. 2013/08/02(金) 07:02:25 |
  2. URL |
  3. らんまる #-
  4. [ 編集 ]

Re: 平地の舘巡りは大事です

らんまるさん  この間はお世話になりました。

そうですね平地の城館は広大ではありますが、消滅する確率も高く地元の人々にも忘れ去られる
可能性が大です。
なので今こそ平地の城館・伝承地もすべて探し出す!
この精神で邁進していきたいと思います。
山城も大好きですけどね。
  1. 2013/08/03(土) 23:58:53 |
  2. URL |
  3. ていぴす #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://osirozuki.blog.fc2.com/tb.php/188-69766d0f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

ていぴす

Author:ていぴす
見に来ていただきありがとうございます。
現在の長野県内城跡訪城数は   814城です。

少しずつ増やしていきますのでお楽しみに!
写真にはこだわっていきます!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (0)
初めまして (1)
信濃の武将 (11)
松本市 (47)
安曇野市 (33)
塩尻市 (15)
筑北村 (5)
生坂村 (36)
池田町 (18)
箕輪町 (13)
伊那市 (7)
辰野町 (2)
下諏訪町 (9)
諏訪市 (1)
中川村 (3)
駒ケ根市 (6)
ニュース (4)
廃村 (1)
伝説 (2)
本日の訪城 (14)
飯島町 (1)
武将の墓地 (4)
松川村 (3)
千曲市 (1)
南箕輪村 (1)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。