長野県の歴史を探し求めて

長野県内にある城跡・石造物などを探し求めそれらを紹介していきます。

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伊那市  義信の城②

伝承も無き山奥の堅城

立地としては、大田山のやっとこ平(鳩吹城のある山)の西の山から南側に下がった尾根上にこの城は築かれている。

義信の城は急な細尾根上にある城で、唐沢と湯の沢に挟まれた急崖に囲まれていて、容易に人を寄せ付けない場所である。


yosinobunosiro23 (18)


~ 郭③ ~

094.jpg

湯の沢の崖をよじ登って辿り着いたのは、この郭③であった。

以前から気になっていた場所で、上段の尾根は1m程の細さで通路として利用していたものと考えられ、湯の沢側の斜面

を郭として造成したようである。

その特徴として、

①郭の縁部(湯の沢側)には土塁が築かれている。

②尾根の切岸と縁部の土塁の間が郭というより、横掘の様相を呈している。   である。


243.jpg
郭③を見る。

郭内部一面には笹が繁茂しており詳細は足の感覚でしか捉えられないが、切岸と土塁に挟まれた部分は宮坂氏は堀として

は書かれていなかったが、この堀状の部分は南側へ行くと湯の沢へ下り堀①に付属する竪掘に沿うようになっていたこと

から横掘であったと考えられる。


197_20140203193423a81.jpg
郭④全景

この郭③が横掘であったとなると、この城全体に言えることだが城の防御度に比べて居住空間・兵の収容空間となる平坦

地が極端に無いのである。


この城に関する伝承は伝えられておらず、遺構・立地等をもって推測するしかないのであるが、立地的には小黒川渓谷の

最奥に築かれており、伊那と木曽を繋ぐ街道を意識したものと考えたいのだが、街道から相当奥まった尾根であり更に、

尾根上の道の見張りも考えられなくはないが、山頂は130m程上にあり逆に見下ろされる状態であり上には鳩吹城もある為

この城の存在意義がだいぶ薄れてしまうのである。


yosinobunosiro11.jpg

搦め手の細尾根には、唐沢側に二重の竪掘を、湯の沢側にはY字状の竪掘が掘られていて尾根を細めると共に両側の険し

い沢にも更に備えている厳重さである。


yosinobunosiro11 (6)
湯の沢側に落とされている竪掘

この義信の城の『義信』とは、高遠氏=木曽氏(高遠氏には木曽氏説と諏訪氏説・笠原氏説がある)との説を前提として

高遠氏二代太郎義信からきているのではないかと考えられている。

木曽氏の築城と考えるのは、東側山上にある鳩吹城は天文年間には倉田氏が支配していたが、峠を越えて来た木曽勢と

余地原で戦って敗れ北殿の倉田城へ移り藤沢氏に属したと伝えられているので、その後は木曽氏がこの地域を支配してい

たことが考えられるのである。ただ、物見だけであれば倉田氏がいた鳩吹城の方が見晴らしがよくこちらを改修すれば

済んだはずであり、これほど厳重な城を奥まった尾根に築く理由が見つからないのである。


yosimnobunosiro9 (2)

郭③の上部(堀①と搦め手二重堀切との間)にある細尾根であるが、ここは郭としての削平はされておらず自然のまま

放置されているので通路として使われ、防御施設とは狭すぎて使えなかったのであろう。


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細尾根から見た本郭の絶壁

~ 堀① ~

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堀①を見る。

本郭を搦め手から守る最大の防御施設として構築された堀①はとにかく登るのも恐ろしいほどの角度(60~70°位はある

か)と堀底から16mという高さと堀幅は19mある今も鉄壁の防御を残している。


yosinobunosiro7 (6)
堀①

堀切は唐沢側は途中に岩場となる為に竪掘としての落としは短いが、湯の沢側は長く落としている。


yosinobunosiro7.jpg
湯の沢側に落とされている竪掘


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堀①の竪掘に付属する竪堀

また、湯の沢側に落とされている堀①の竪掘に付属するように竪掘が二本落とされている。


~ 郭①~② ~

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郭①を見る

図面では郭①~②の場所には、段差を書いているが緩やかなもので段差というようなものではないのでどこが郭①でどこ

が郭②という明確な区分けが出来ないのである。(笹の繁茂で詳細が見えない可能性もあるが)

分かりやすく言えば、自然地形。。。。。に近いかな。


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そうなると、先端部にあるこの削平地のみが居住区ということになる。

これから紹介する先端部の放射状竪掘など戦国末期の先駆的な防御施設を取り入れているにもかかわらず、兵が籠る建屋

を設けられる場所がここしかないというのは(籠れても20~30人位か)どういうことであろうか。

険しい自然地形+先駆的な防御施設=人は少なくても大丈夫!。。。。。てきな考えだろうか。


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郭にあった謎の土盛り。。。。土塁の残欠であろうか?

yosinobunosiro3.jpg
本郭下の帯郭

郭①~②の約5m下には南側から西側にかけて幅約5~6m幅の帯郭が巻いている。

また、郭①~②の切岸は南側は緩く西側へ行くに従って厳しくなっている。


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そして今回、足かけ2年もかけて執念で訪城した最大の目的である、他の伊那の城で

は見られない唯一の放射状竪掘は本当に存在したのである。


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堀の規模はまちまちであるが概ね1~2mの幅や深さで築かれている。

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規模の大きいものは山の中腹辺りまで落とされているものもあり、これらは大手道や荷揚げ道として使用されており、

その道を守る為に竪掘を掘った結果、放射状の竪掘が出来たと見ることが出来る。


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最後の写真は。。。。。。現在の城主様であるカモシカ親子の和やかなシーン


なが~くなってしまいましたがこの城の素晴らしさが伝わったでしょうか。

伊那では中々見ることが出来ない防御施設などど~しても見てみたかったので執念で訪城してきましたが、皆様は真似を

しないでちゃんと正面から登りましょうね。

この城には伝承が無いのでどちらの勢力のものとは言えないが、城の防御は湯の沢側(木曽側)を向いているように感じ

たが宮坂氏は木曽氏説を書かれている。時代により支配勢力が動きそのつど改修され戦国末期まで使われてきた。。。。

とすれば。。。。。。。どうであろう謎だ。



~ 参考文献 ~

山城探訪上伊那資料編       (宮坂 武男)

伊那市誌             (伊那市編纂委員会)



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  1. 2014/02/02(日) 19:00:46|
  2. 伊那市
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

縄張の指向性

小黒川の沢へ向けた縄張はまさに木曽方の城としての縄張のように思えます。
パラグライダーの発進基地である鳩吹城と義信の城を並列させることで視覚的な威嚇効果は充分でしょう。それでも登って来るなら畝傍状竪掘の効果を体感していただくまでの事ですから(笑)

武田からの離反を覚悟した義昌さんの改修でしょうか。
それにしてもこのような山奥に登る方の気持ちが分かりません・・カモシカへの愛でしょうか?(爆)
  1. 2014/02/05(水) 21:02:59 |
  2. URL |
  3. らんまる #-
  4. [ 編集 ]

Re: 縄張の指向性

らんまるさんコメントありがとうございます。
伊那谷最奥の城が見たくて2年。。。。長かった。。。。道のりも。
そりにしても堀切は素晴らしかったですね。
あれは城が存続していた時代には、絶対登ることは出来なかったでしょうね。
山奥に行かねば見れない景色もあるものです。
  1. 2014/02/07(金) 23:22:59 |
  2. URL |
  3. ていぴす #-
  4. [ 編集 ]

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