長野県の歴史を探し求めて

長野県内にある城跡・石造物などを探し求めそれらを紹介していきます。

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安曇野市  中塔城②

nakatou889 (4)
パート2この図面に沿って紹介していきます。

~ 本城部段郭 ~

nakatoo1 (--)
本城部の段郭を上から見る

登城路は堀状になっており、郭②の脇を通って郭①へ入っている。

段郭はこの堀状の通路の両脇に構築されており、往時は柵でも建てて人が通れる幅を制限していたのであろう。


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段郭を横から見る。

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段郭のほとんどはさらに北側の郭②の側面に回り込む形で帯郭状に伸びている。

これは北黒沢からの敵(武田氏か)に対して構築したものと考えられる


~ 郭② ~

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郭②の内部を見る。

郭②は中塔城内で最も防御的に整備が行き届いている郭で、削平が丁寧で唯一と言える土塁が見られる。

城内最深部手前の番所または関門的な位置付けのような郭となっている。


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土塁は登城路と郭②を区別する為に設けられたものと考えられ、尾根に小規模な段郭を細かく刻む造りや通路と郭の境目に土塁

を造る手法は林大城や桐原城にも見られ、小笠原氏の手が入っていることを伝えている証拠と考えられる。


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通路側に構築された土塁を見る。

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土塁は郭①側では、カーブをして郭②を囲むように構築されている。ただし、北黒沢側には土塁は無くすぐ下に帯郭状に段郭が

造られていて防御している。


~ 郭②と郭①の間の尾根? ~

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郭②では土塁により明確ば防御姿勢が見られるにも関わらず、郭②を抜けると一切の防御施設が見られる削平されたダラダラし

た尾根が続く。

通常の城郭であれば城の中心部の手前には土塁や堀切などの敵の侵入を防ぐべきものを構築するが、この中塔城には郭②を

抜けた敵を防ぐ防御姿勢が一切見られないのである。

尾根の防御施設と郭②ですべての敵を防げると考えられたのか。。。。

もともと防ぐ意思は無く奥の山へ逃げる時間が稼げればよかったのか。。。。。

それとも構築するだけの時間が無かったのか。。。。。。。


nakatou889 (4) - コピー

~ 郭① ~

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中塔城の中心部を見る。

小笠原長時が籠城したのはこの場所とみられ、山上に広大な平坦地が広がる。

ただ、他の城と違うのは一番重要な郭にも関わらず削平はされておらず、地山ままの状態で使用していたようで何故重要な場所に
全く手を入れなかったのかは分からないが、時間がなかったのであろうか。


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中塔城の記事では必ず登場する金比良社の祠

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堀状遺構を見る。

本城内にある堀状遺構で、通路として使われていたのであろうか?本城域は過去に開墾などの人の手が入っているので遺構か

は判断ができない。


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本城の南西隅に見られる矢倉台状遺構を見る。

この高まりは本城域で唯一削平された痕跡が見られ、高まりの上を削平と西側に一段削平した郭が見られる。

南黒沢から上ってくる道があるようなので、この道を監視する役目を追っていたものと考えられる。


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本城域の中心部を見る。

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中塔城本城域出土の茶釜と古渡染付皿   (梓川アカデミアパーク所蔵)  許可を得て撮影しております。

本城域からは生活用品が出土しており、ここで生活していた人がいたことを物語っている。ただ、小笠原氏のものか在地土豪の

物かは不明。


~ 搦め手尾根 ~

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土橋状に続く搦め手尾根を見る。

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この搦め手尾根は尾根道を狭くするために、尾根の側面を削りだ㎜差をつけて土橋状に加工している。

nakatoo10 (2)

さらにこの土橋状に加工し細くした尾根にさらに竪堀を追加し、防御を強化している。

何故堀切とせず竪堀にしたのであろうか。。。。。

斜面の比較時緩い北黒沢からの敵の尾根の横移動を防ぐため。。。。。

いざという時に逃げるのに堀切では遅くなってしまう為。。。。。。。

たぶん後者であろう。

この城を最後まで守りきる気持ちがあれば、堀切を多用し防御を厳重にすることであろう。

黒沢山(標高2051m)からの敵は想定していない可能性もあるが。。。。。。。それでも堀切を入れるのが通常と考える。


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黒沢山へ続く道を見る。

しかし、堀切を入れていないのは、いざという時にはこの道を使って奥山を登り上高地・飛騨などへ逃れることを想定していたので

はないのだろうか。立派な道が残っているし。。。


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奥山を見る。

戦国末期には飛騨から豊臣秀吉に敗れた三木氏が梓川に逃れてきたり、西牧氏の最後の地梓川渓谷からは上高地を越えて

富山・飛騨へ抜ける道があったようなので、あながちなくもないと思いませんか?


~ 殿様水 ~

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搦め手尾根の土橋状遺構を越えてさらに山道を辿ると、300m程で道の脇に水が湧き出ている場所が見られる。

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これが殿様水と呼ばれる水の手であると思われる。以前はこんこんと湧き出ると記載があったが、夏に訪れた際は確認できなかっ

たので季節によっては枯れてしまっているようです。


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中塔城遠望


長々と書いてきた中塔城はいかがだったでしょうか。

あまり手を加えていない天然の城塞とよく言われますが、広大な城域を細かく見ると防御施設を適切に備えた厳重な城であった

ことが分かっていただけたと思います。

殿様水もそうですが、1回では確認できず2回訪城したからこそ見れる遺構もあります。

時間・体力が許せば是非複数回同じ城を訪れてみることをお勧めします。


~  参考文献 ~

信濃の山城と館            (宮坂 武男)

梓川村誌                (梓川村誌編纂委員会   平成6年)

南安曇郡誌               (南安曇郡誌改訂編纂会   昭和43年)

三郷村誌                (三郷村誌刊行会     平成18年)

豊科町誌                (豊科町誌刊行会   平成7年)



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  1. 2015/06/24(水) 18:45:59|
  2. 安曇野市
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<安曇野市  中塔城③尖屋敷 | ホーム | 松本市   中塔城①>>

コメント

見つけましたか殿様水

二回も登るとは猛者でございますなあー。
小生は一度だけで結構でございます・・(笑)

殿様水を見つけるとは執念深いですネ。
長時さん、籠城しながらこの水で茶の湯を楽しんだのでしょうか。戦時にあっても平常心を失わず風流でございますw
残念ながら故郷には帰れませんでしたが、貞慶さんの活躍により子孫は皆出世して幕末まで名を残したのは流石です。

それにしても比高差めちゃくちゃ高いぞ!(爆)
  1. 2015/06/27(土) 14:21:04 |
  2. URL |
  3. らんまる #-
  4. [ 編集 ]

Re: 見つけましたか殿様水

らんまるさんコメントありがとうございます。
らんまるさんと訪城した時の写真がほとんどぼやけてしまい
全然使えなかったので写真を取り直してきました。
殿様水もやっと見つけることが出来ました。
あんな山奥でお茶。。。。。。追いつめられていても
小笠原流は優雅でございますね。
  1. 2015/06/30(火) 12:05:45 |
  2. URL |
  3. ていぴす #-
  4. [ 編集 ]

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現在の長野県内城跡訪城数は   814城です。

少しずつ増やしていきますのでお楽しみに!
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